インタビュー

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【 この人 】

頼りになる協会に

2020年08月18日

徳島県トラック協会 湯浅 恭介 会長

 6月、8期16年務めた粟飯原一平前会長の勇退を受け、10代目会長に就いた。協会設立の原点にいま一度立ち戻り「会員の事業継続を支援する組織に」と決意する。
 新型コロナウイルスの影響は県内にも及ぶ。リーマン・ショック、自然災害を乗り越えたこれまでの経験が通じず「未曽有の危機といっても過言ではない。協会が頼りにならなければならない」と腹をくくった。
 会員企業の声を拾い上げるアンケートを実施。社員が休業したため雇用調整助成金を申請したいが、手続きが煩雑でためらっていると分かるや否や、社会保険労務士を招く個別相談会の開催を即決した。
 運営の在り方も見直す。感染拡大を防ぐためリモート会議の活用を打ち出した。まず正副会長会議で導入し、今秋には理事会にも対象を広げる。「移動時間が省かれ、会員が参加しやすくなる。運営に広く意見を反映できる機会だ」。目まぐるしく変化する時代に生き抜く誓いが背中を押す。
 自身が経営する志満や運送は県南部の阿南市に本社を置き、地元の発展と共に半世紀を超えて歩む。地方の物流を保つため運賃・料金の適正収受が欠かせず、標準的な運賃告示には期待を寄せる。同時に「実効性を担保しなければ」と行政、各種経済団体とタッグを組み荷主に訴える方針。ドライバーの地位向上にも挑み「結果を残して徳島を先進事例に」とする。
 約20年ぶりにロードバイクを再開。国道55号で室戸岬まで片道約100キロメートルのコースは太平洋を眺望できるお気に入りの一つ。月500キロメートルを超える時も。「走っているとアイデアが浮かぶが、降りると不思議と消えてしまう」