インタビュー

メインビジュアル

【 この人 】

従業員の幸せを追求

2019年09月03日

ラニイ福井貨物 藤尾 秀樹 社長

 6月、社長に就任。「ナンバー2とトップでは背負う重みが違う」。すぐさま社名を福井貨物自動車からラニイ福井貨物に変えた。経営理念も刷新。「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、物流事業を通じて、地域社会の進歩発展に貢献する」。理念に全ての思いを凝縮させた。
 大卒後、大正製薬で18年間、営業とマーケティング部で働いた。将来を嘱望されてもいた。ラニイ福井貨物への入社は、藤尾繁郎氏(現・名誉会長)に「孫娘を下さい」とあいさつに行ったことがきっかけ。39歳だった。福井には縁もゆかりもなかったが、一度の訪問で好きになった。「敷かれたレールより、新しい何かを生み出したいという思いが湧き上がってきた」
 「物流は学ぶほどに奥が深くて面白い」。労働集約型産業だからこそ人と人との関わり合いの中で仕事ができる。業界が変革期を迎える中、変えるべきは勇気を持って変えていく。「チャンスはある」と語気を強める。
 まずは北陸3県で地盤固め。主力の特積みで培った輸配送ノウハウを生かし、倉庫業を強化する。来年後半には特積みと倉庫を一体的に運営する複合型拠点も開設する。候補地は北陸自動車道福井インターチェンジ近辺。グループ会社の低温物流ノウハウも合わせ提案メニューを増やし、既存顧客の深堀りと新規獲得につなげる。より大きな総合物流企業へと成長させる青写真を描く。
 学生時代はラグビーで活躍。出身高校は全国大会出場の常連校で大学でもレギュラーを張った。好きな言葉は哲学者ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」。いま生後7カ月の息子が「かわいくて仕方がない」。