インタビュー

【 この人 】
企業と地域をつなぐ

2019年07月16日
奈良県トラック協会 塚本 哲夫 会長
「現場にどれだけ心配りができるかが、全てに関わってくる」。5月、新会長に就任。「重責を感じる」としながらも、会員のために、何ができるかを模索している。
「何よりも輸送の安全が最優先。それがないと始まらない」。人手不足が叫ばれる中、貴重な人材を守るためには健康管理や安全装置の普及が欠かせない。ただ守るだけでなく、ドライバーを大切にする姿勢を見せることも重要と考え、会員企業の従業員が気軽に健康診断や脳ドックを受けられるような対策を検討していく。
近畿の他府県と比べても、奈良県のGマーク(安全性優良事業所)取得率や運賃値上げ交渉は遅れているのが現状。「協会として頭ごなしに指導するのではなく、会員目線に立つことで、問題解決の方法を一緒に考えたい」。企業の意識改革のためにも企業への巡回を徹底することで、問題の発見と解決の糸口を探る。
「海、空、鉄道があっても最終的には必ずトラックが必要になってくる。普段は気付きにくいが、災害時などにトラックの重要性を感じる人は多い」。昨年は防災マップを県内全世帯へ配布し地元で話題となった。災害用電話を設置し、緊急輸送体制を整えるとともに、自治体や企業との連携を密にして、地域とのつながりを強める。
人材確保にも積極的。他県で展開されている出前講座に着目する。「若い人は車の免許を持っていてもMT車に乗れない人が多い。輸送業界の知名度を上げるために、これから力を入れたい」
趣味はゴルフとジムでのトレーニング。なかなか時間が取れないが、体調管理と健康のために続けている。