インタビュー

【 この人 】
全ては未来のために

2018年10月09日
高知県トラック協会 森本 敬一 会長
5月、岸圭介前会長からバトンを受け継いだ。全国のトラック協会長の中では最年少となる。「全ては業界の未来のために」。岸前会長の路線を継承しつつ、次世代を見据えて協会の運営方法の改革に着手し、その手腕に大きな期待が寄せられている。
農産物の出荷が多い高知県は大消費地まで距離があり、コンプライアンス(法令順守)対応に難しさはあるが、妥協は許されない。「行政と協会が手を携えて適正化を推進する。安全にもつながる最優先事項」と固い決意だ。
もう一つの課題、人材不足の解消は特効薬がない。若者、特に高校生に関心を持ってもらえるよう「目で見て分かる」発信に努める。物流業界を広く知ってもらうため、インターネットでの動画の作成を検討。若者を確保できれば、次に定着を図れるよう、中・大型免許の取得費用を助成するといった段階的な支援を用意する。
協会改革では理事会の活性化を促した。従来、議事は粛々と進んだが、「意見が出ないのは不自然」と指摘。就任直後の理事会では出席した理事一人一人に意見を求めた。時間はこれまでの倍に延びたが、「過程が充実すればおのずと良い方向に導かれる」。さらに青年部会メンバーをオブザーバーとして出席させ、その真意を伝える。
協会職員の士気向上も図る。空席だった専務理事には。初の生え抜きとなる西村伸矢氏が就いた。職員が上を目指せる環境を整え、自ら考え行動するよう奮起を促した。
品位、言動、姿勢は人一倍心掛ける。「会社の経営者としても、協会長としても必要な要素。魅力ある業界につながれば」との信念だ。