インタビュー

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【 この人 】

基本は現場の声 

2017年11月14日

全日通労働組合 成田 幸隆 中央執行委員長

 7月中旬の大会で委員長に就任した。
 中央本部では安全衛生や労働協約、労働福祉などを担当してきた。労働運動の基本は現場の声をしっかり聞くことと考え、「労働者の意見を会社に伝え、反映させていきたい」とする。
 長時間労働などの課題解決に向け、「労働組合の存在意義が問われている時代。存在価値を高めていきたい」。
 最大の課題は、平成31年4月を目途に検討・協議している「社員制度・賃金制度の抜本的改革」に向けて、現場の声を届け、制度に反映させることだ。定年延長の問題を含め、政府が推進する働き方改革の動きに対応していく。
 日本通運には、正規・非正規、転勤の有無などでいろいろな社員区分があり、さまざまな労働課題があった。「入社から65歳までの働き方を論議する」
 これまで5人の委員長の下で活動。その時々の重大な労務課題に対し、責任ある決断をしてきた歴代委員長たちの背中を見てきた。「先輩の過去の立ち居振る舞いを参考にしながら、伝統ある良いものを守りたい」
 半面、時代の流れに敏感な一面も。AI(人工知能)や自動運転など新技術が物流の現場に入ってくることを否定しない。だが、技術を使いこなすのは人間という信念を持つ。この信念に基づき、「新しいものを取り入れながら、これからも〝人〟が物流業界の根幹であることに変わりはないとの認識の下、この環境変化に対応していきたい」と長期的な目標を語る。